2015年11月20日金曜日

小ネタ:無料アプリと広告

今日の小ネタはいつもと違い、アプリの収益に関するお話です。とはいえ、これは私が直面している話ではなく、一般的なお話でございます。

無料でアプリを提供する場合にどのように収益化するか、というのは以前のポストでも書いたことがありますが、アプリ内課金、もしくは広告収入、というのが考えられるわけです。というのを前提に。

わたくし事ですが、最近は使っていないスマホのアプリがいくつかあります。数年前、しかもリリースされて間もない頃に、「そうそう、こういうのが欲しかったんよ!」とインストールし、結構使っていたのですが、ライフスタイルの変化とともに、最近では起動することも少なくなっていました。

そのアプリのうちの一つが、テレビCMで流れるようになったのはここ数ヶ月前からでしょうか。職業柄、どうしても「お、この会社、ずいぶん儲かってるんだね」とアタマの片隅で思いながら、いずれにせよテレビCMを見たからといってアプリの起動契機になるわけでもなく、他のテレビCM同様、見過ごしていたわけです。

そして、今日、ふと気がついたことが。そのアプリからのオプトインメールを受信するように設定していた(らしい)のですが、以前よりオプトインメールの来る頻度が高くなったような気がしたのです。今朝、昨日のメールチェックでそのアプリからのメールを削除した記憶があり、週末に向けて夕方にメールチェックをしたところ、そのアプリからのメールが来ていたことで気がついたのです。確かに、この1ヶ月で週に2〜3通、今週は月曜着から金曜日まで毎日届いています。

ちょっとした違和感を覚えました。メールバンバン流してどんだけ広告収入を得ようとしてんのさ、と。でも、すぐにその理由に気づきました。テレビCMです。

アプリの運営会社はもともと、アプリ内にある広告がメインの収入源になっていたと仮定されます(アプリ内課金もありましたが)。でも、アプリがインストールされればされるほど収入が上がる、ということになるため、アプリの認知度を高める必要があるわけで、今までのように口コミだけではユーザー数は頭打ちになってしまう恐れがあったのではないでしょうか。

そこで、大きな認知度アップキャンペーンを行うことにしたのでしょう。そう、テレビCMです。最近はテレビ離れが進んでいるとは言え、テレビを視聴する人はまだまだ多いわけです。当然認知度が上がったでしょう。

ただ、そこにはおそらく大きな落とし穴があったはずです。テレビCMの制作および放送に相当額の広告費が費やされたはずです。そして、仮にアプリがインストールされたことによる売上が上がったとしても、それに見合うだけの利益を上げることができなかったのではないでしょうか。

とすれば、今度は既存ユーザに対してオプトインメールを送ることで、そこからの広告収入を得る、という方法で、なんとか売上(利益)を維持もしくは上昇させようと考えるのは無理からぬ話です。今日気がついたのはある一つのアプリですが、実は同様の理由で削除したアプリも今までに数多くあります。

その方法がダメだ、と否定するつもりは全くなく、利益を上げなければいけない企業の立場としては当然だとは思いますが、無料で使っているユーザー側として、その程度の「不利益」は受け入れなければならない、と、もしその企業が思っているのだとしたら、それはちょっと極論すぎる気はします。

ちなみに今回のアプリを開発した会社(もちろんどこかなんて言いませんよ)、財務状況とか全くわかりませんが、おそらく利益を少しでも前期より上げようとしているんではないかと。そして目指しているのは上場。そんなところでしょう。

それはいいことだと思いますし、素晴らしいことです。が、それによって、ユーザー側に不利益が少しずつ増えていくとしたら、果たしてそれはいいことなんでしょうか。利益を得たいと思うならまずは利益を出してくれる人のことを考えるべきだと思います。

・・・まぁ、会社によっては(今回のアプリの会社もそうかもしれません)大きな「資金源(≠利益源)」はユーザーではなく資本家だったりしますので、そちらをより大切にしてしまうこともあるかもしれませんけどね。


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